※この記事は僕自身が「意志力」について学びながら書いた考察です。完璧な答えではありませんが、行動を変えるヒントになれば嬉しいです。
皆さんは大谷翔平選手の「ゴミ拾い」のエピソードは知ってますか?
彼は高校時代の監督から「ゴミを拾う事は運を拾う事。自分自身にツキを呼ぶ行動」と教えられ、それ以来、
習慣として試合中にグラウンドのゴミを拾う事を続けてるそうです。
大谷翔平の“ゴミ拾い”が教えてくれること
野球をあまり知らないない僕も、このエピソードは知っています。
このエピソードを知った当初は「大谷選手は実力も人柄も素晴らしい選手だなぁ」、
程度の感想しかありませんでした。
しかし、最近になってウィルパワー(意志力)について知り、これが大谷選手の習慣と、
共通しているのではないかと思いました。
大谷選手本人にとっては「運を拾い、ツキを呼ぶ」という願掛け的なものかもしれませんが、
この小さな習慣が最高の活躍を魅せることに繋がったのではないかと思っています。
しかし大谷翔平のように特別な才能がない自分にでも、“日常の小さな行動”で
ウィルパワーを鍛えることはできるのか?
この問いをきっかけに、僕は「小さな行動が人を変える」メカニズムを調べてみました。
ウィルパワー(意志力)とは
ウィルパワー(意志力)とは「目標を成し遂げる力」の事です。
ウィルパワーは感情のブレを抑えて自分の行動を律し、地道な努力を続けるために不可欠な力です。
世の中の成功者はこのウィルパワーが強い傾向にあります。
感覚的にもそれは分かると思います。
目標があるのに行動できないのは、意志力が足りないから?
「行動したい気持ちはあるのに、疲れて動けない」
「毎日のやる気の波に左右される」
そう感じることは誰にでもあります。
でも、その意識の“波”を安定させる力こそがウィルパワーです。
ウィルパワーは、瞬間的な“やる気”とは違います。
やる気は感情の波に左右される一方で、ウィルパワーは「波を安定させる力」。
だから、行動できる人ほど感情ではなく意志という筋肉を使っています。
僕はウィルパワーを「物事を淡々と進められる力」とも定義しています。
ウィルパワー(意志力)は“心の筋肉”
でも意志力の強さって才能で、たまたま強い人が成功したんじゃないか?って思いますよね。
答えはNOです。最新の研究では意志力は筋トレのように鍛えられる“心の筋肉”と考えられています。
そして「小さな面倒を引き受ける」こと(ゴミ拾いなど)自体が、脳の自己制御機能を鍛えるトレーニングになるのです。
行動心理学者ロイ・バウマイスター氏による研究では、意志力は筋肉と同じく
“使うほど強くなるが、使いすぎると一時的に疲労する”と示されています。
つまり、意志力は生まれつきではなく、日々のトレーニングで伸ばせる力なのです。
マクレイヴン氏の「ベッドメイク理論」に学ぶ
このウィルパワーにまつわる話で有名なのが元アメリカ海軍大将ウィリアム・マクレイヴン氏の
スピーチです。
彼はこのスピーチで「世界を変えるならベッドメイクから」という趣旨の名言を残しています。
彼がいたSEALSはめちゃめちゃ厳しい部隊で有名ですが、その厳しい部隊でまず最初に覚えさせられるのが、
“完璧”なベッドメイクだそうです。
どんな落ち込んだ日でも完璧に整ったベッドが迎えてくれたら、明日に希望が持てる。
毎日の初まりに小さなタスクを完了させることが小さな成功体験を生み、大局を乗り切る意志力を
形成させるのだと関心しました。
氏曰く「些細なことをきちんとできない人は、決して大ごとを成すことはできない。」
耳の痛い話です。
でも確かに、仕事において小さなミスに気付けない人間に大きな仕事は任せられないですよね。
人は失敗しながら成長していきますが、同じ失敗を繰り返していると周りからの信用は確実に落ちていきます。
だからこそ、小さな成功体験を積み重ねる仕組みを日常に取り入れることが大事なのです。
それがウィルパワーを育てる、最も確実な方法です。
僕が「会社の掃除」を通して気づいたこと
このウィルパワーについて僕自身の話になりますが、一つエピソードがあります。
僕の勤める会社では朝9時と夕方17時に15分程度のフロアの掃除があります。
僕は出勤形態が若干違うので17時の掃除を任されています。
この取り組みについて最初の内は「面倒くさい」の一言に尽きました。
普通に仕事があるのに、なぜ掃除しなければならないんだ。
たぶん誰もがそういう感情を抱くでしょう。
しかし、ウィルパワーを知った後で、この取り組みが会社どうこうではなく僕自身にとって
有意義な働きをもたらしてくれる時間だと分かって意識が変わりました。
しかし人はなぜ規則に対して「面倒くさい」と感じるのかを調べてみると、脳の働きが関係していることを
知りました。
脳には誘惑に対して2つの部分を使用していると言われています。
2つの内、意志力を司る脳の部分を前頭前皮質。
前頭前皮質はストレスに弱く、やらなければならない事があるのに何らかの誘惑で気持ちのブレ
(迷いによるストレス)が生じると、前頭前皮質は、その選択肢の決定権をもう一方の大脳辺縁系に委ねるの
だそうです。
しかし前頭前皮質、小さな決断を積み重ねることで活性化します。
だからこそ「ちょっと面倒」を引き受ける習慣が、将来の自分を強くする“脳の筋トレ”になるんです。
“ちょっと嫌”なことをあえてやる意味
誰にでも、「少し面倒だな」「できれば避けたいな」と思う瞬間があります。
でも、その“ちょっと嫌”なことをあえてやることこそが、ウィルパワーを鍛えるトレーニングになります。
僕たちの脳は、楽な方を選ぼうとする仕組みを持っています。
しかし、その瞬間に「少しだけ頑張る」を積み重ねることで、意志力を司る前頭前皮質が活性化し、
“面倒くさい”と感じるハードルが少しずつ下がっていきます。
このとき脳内では、「やれば気持ちがスッキリする」という報酬学習が起こります。
つまり、最初は我慢でしかなかった行動が、繰り返すうちに「やった方が気分が良い」に変わっていく。
大谷選手のゴミ拾いも、マクレイヴン氏のベッドメイクも、会社での掃除も、
最初は「別にやらなくてもいいこと」かもしれません。
でも、それをやる人とやらない人の間には、時間が経つほど大きな差が生まれます。
“ちょっと嫌”なことを引き受けるたびに、自分の中に「行動できる自分」が、静かに育っていくのです。
今日からできる“ウィルパワートレーニング”3選
今日から出来るウィルパワーを紹介します。それは以下の3つです。
- 起床後にベッドを完璧に整える(シーツのしわ、枕の位置、毛布をたたむなど)
- 夜に机や周囲を5分間、片づける
- 通勤中にゴミを拾う
どれも地味に面倒くさい。特に最後の通勤中のゴミ拾いなど、それこそ
労力は低いものの「なんで俺が道端のゴミを拾わないといけないんだ」となりますよね。
でもそのちょっと嫌だと思う事が人生の目標に進むための推進力を鍛えるのです。
これらを1週間続けてみるだけでも、確実に「面倒くさい」の感じ方が変わってくるはずです。
継続するほど、あなたの意志力は静かに、でも確実に鍛えられていきます。
別に僕が挙げたことじゃなくても良いです。
今“ちょっと嫌”だと感じてる事。それをあえてやってみてください。
もし運動が苦手なら筋トレも良い選択肢になります。
小さな習慣が、人生の大きな変化を生む
いかがだったでしょうか。
僕も調べながら書いてて自分にもまだできてない部分が沢山あるなと、
少し反省と気を引き締めようと思いました。
「塵も積もれば山となる」という言葉があるように、
小さな習慣(成功体験)で培った意志力は人生に大きな変化を生みます。
どんなに小さな習慣でも、意志をもって続ければ必ず結果に変わります。
あなたも今日から、“小さな一歩”を積み上げてみませんか。
この話が少しでも参考になれば幸いです。
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